LTspiceの”sw”部品の使い方。ヒステリシス電圧をマイナスにすると立ち上がりと立ち下りがなだらかに。

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電圧値でスイッチのON/OFFを制御する”sw”部品

回路設計をしていると、回路をショートとオープンで切り替えたい時があります。

そういう場合はトランジスタを使うのが一般的だと思いますが、LTspiceの場合には”sw”を使うという選択肢もあります。

“sw”は実際の回路には有り得ないほぼ理想的なスイッチで、スイッチのONとOFFを電圧で制御します。

ON/OFFを切り替えるしきい値電圧や、ON/OFF時の抵抗値も設定することができます。

今回は、この”sw”を使ってシミュレーションをしてみたいと思います。

それと、ヒステリシス電圧をマイナスに設定するとどのようなシミュレーション結果になるかも試してみたいと思います。

“sw”の使い方

“sw”部品の選択

まずは”sw”の選択です。

“Component”のアイコンをクリックすると、”Select Component Symbol”のウインドウが開くので”sw”を選択します。

OKボタンを押した後は、”sw”を配置します。

マウスを移動させてクリックすると、そこに”sw”が配置されますが、その前に”ctrl + r”を押すと部品を回転させることができます。

以下の画像ように、”ctrl + r”を押すごとに90度ずつ部品を回転させることができます。

ちなみに、以下の画像のように、”ctrl + e”を押すと部品を水平反転させることができます。

回路図が見やすくなるように、部品の回転と水平反転を活用すると良いと思います。

“sw”特性の設定

“sw”部品の配置が終わったら特性を設定しますが、その前に”sw”に名前を付けておきます。

配置した”sw”の上にカーソルを移動させて右クリックすると、”Component Attribute Editor”というウインドウが開きます。

その中の”Value”の項目を変更します。ここでは”VSW”としますが、名前は任意で大丈夫です。

次に、”sw”部品の特性を設定します。

特性はテキストで記述します。

記述するためには、以下の画像のように、”Text”アイコンをクリックします。(名前が”SW”から”VSW”に変わっているはずです)

“Text”アイコンをクリックすると、以下の”Edit Text on the Schematic:”ウインドウが開きます。

ウインドウが開いたら、赤枠で囲ったように、”How to netlist this text”を”SPICE directive”にしておきます。

その下に記載してある、

.model VSW SW(Ron=1 Roff=1Meg Vt=0.5 Vh=0.2)

がswの特性(VSWの特性)を示しています。

この例でいうと、

Ron=1 : スイッチがONしているときの抵抗値は1Ω
Roff=1Meg : スイッチがOFFしているときの抵抗値は1MΩ
Vt=0.5 : しきい値電圧は0.5V
Vh=0.2 : ヒステリシス電圧は0.2V

であることを示しています。

もう少し具体的に記載すると、

swへの入力電圧が0.7V(Vt+Vh=0.5V+0.2V)以上になると、スイッチがON(通電状態)になって、その抵抗値は1Ω

swへの入力電圧が0.3V(Vt-Vh=0.5V-0.2V)以下になると、スイッチがOFF(解放状態)になって、その抵抗値は1MΩ

となります。

ここでは、Ron、Roff、Vt、Vhの4つのパラメータを設定していますが、マニュアルによるとそれ以外に、直列インダクタンス、直列電圧、電流リミットのパラメータも設定できそうです。

入力電圧制御

“sw”の特性を決めたので、次は”sw”のONとOFFを制御する、入力電圧の回路です。

入力電圧(Vinput)は、”sw”部品の+端子と-端子の間の電圧です。

この電圧が0.7V以上になると通電状態となり、0.3V以下になると解放状態になります。

今回は、以下の図のように、+端子と-端子の間に電圧源をつなげました。

シミュレーション用回路

最後に、”sw”に電流を流すための回路を作成します。

今回は、以下の図のように、電圧源をつなげました。

あとは電圧源であるV1とV2を設定してあげて、それをシミュレーション用の回路にすることにしました。

シミュレーション結果

シミュレーション結果

シミュレーションを実行する前に、電圧源のV1とV2を設定しておきます。

V1は、以下に示した設定で、三角波にしました。

V2は、10Vの直流電圧源としました。

最終的な回路図です。

それではシミュレーション実行です。

以下の画像がシミュレーション結果で、
青線は入力電圧(+端子と-端子の差電圧)で、
緑線はスイッチに流れている電流です。

入力電圧である青線が0.7V以上になるとスイッチに電流が流れ始めて、その電流値は10Aになりました。

通電時の抵抗であるRonは1Ωで、V2の電源電圧は10Vなので、想定通りの電流値となりました。

入力電圧が0.3V以下になると、開放時の抵抗であるRoffは1MΩなので、スイッチに流れる電流はほぼ0Aになりました。

ヒステリシス電圧Vhをマイナス電圧にした場合のシミュレーション結果

ここまでは、ヒステリシス電圧Vhを0.2Vとしてきましたが、これを-0.2Vにするとどうなるでしょうか?

結果は以下のようになります。

ヒステリシス電圧がプラスだった時に比べ、スイッチに流れる電流の立ち上がりと立下りがなだらかになりました。

“sw”がOFFからONの時は、Vt(0.3V)から電流が流れ始め、Vt+Vh(0.7V=0.5V+0.2V)で完全に”sw”がONしました。

逆にONからOFFの時は、Vt+Vh(0.7V)で電流が減少を始め、Vt(0.3V)で完全に”sw”がOFFしました。

If Vh is negative, the switch will smoothly transition between the on and off impedances. The transition occurs between the control voltages of Vt – Vh and Vt + Vh. The smooth transition follows a low order polynomial fit to the logarithm of the switch’s conduction.

マニュアルには上記の記述があったので、これで正しい動作のようです。

立ち上がりや立ち下がり時間を制御したい時に利用できるかもしれません。

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