第2回 LTspiceで、バイポーラトランジスタを使った電流源をシミュレーションしてみる

LTspice

以前、LTspiceとPSpiceで、カレントミラー回路を使った定電流源のシミュレーションをしてみました。

参考書を読んでいたら、トランジスタを1個追加するだけで、基準電流とコピーした電流の差が小さくなるようなので、LTspiceでシミュレーションしてみました。

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前回のおさらい

前回は以下のような回路でシミュレーションしてみました。

抵抗R1に流れる電流が基準電流Irefで、
抵抗R2に流れる電流は基準電流Irefをコピーした電流Icopy1です。

理想は、IrefとIcopy1が完全に一致することです。

ここでは、基準電流Irefの目標値を1mAとします。電源電圧は5Vとしました。

上の回路図では、バイポーラトランジスタQ1のコレクタとベースをショートしているので、Q1はダイオードと同じ働きです。

Q1のダイオードの順方向電圧を0.7Vとすると、Q1のコレクタ電圧も0.7Vです。

なので、上の回路図のVaは0.7Vになります。

となると、基準電流Irefの目標値は1mAなので、R1は(5V-0.7V)/1mA=4.3kΩとしました。

そして、バイポーラトランジスタQ1とQ2のベースはショートしているので、Q1とQ2のベース電流は同じはずです。

さらに、Q1とQ2の電流増幅率が同じであれば、コレクタ電流が同じになり、IrefとIcopy1は同じになるはずです。

この回路のTransientシミュレーション結果が以下です。

基準電流Irefは0.982mAくらいでした。1mAに近い電流値でした。

そして、IrefとIcopy1の差は、ざっくりと15uAくらいでした。

さて、上の回路にさらにバイポーラトランジスタQ3とQ4を追加してみます。

Q3とQ4は並列に2個接続しているので、Icopy2はIrefの2倍になるのが理想です。

バイポーラトランジスタQ3とQ4を追加した後の、IrefとIcopy1のTransientシミュレーション結果です。

バイポーラトランジスタQ3とQ4を追加したことで、Icopy1の電流値が小さくなり、Irefとの差は約35uAと大きくなりました。

ということで、コピーする電流源を増やすためにバイポーラトランジスタの数を増やすと、基準電流Irefとコピー電流の差分が大きくなりました。

前回の回路にバイポーラトランジスタを1個追加

それでは、前回の回路にバイポーラトランジスタを1個追加してみます。

追加したのはNPNバイポーラトランジスタQ9です。

この時、Vaの電圧は、Vbeが2段あるので、Va=2 * Vbeになります。

全回路の回路と同様、Vbe=0.7Vとすると、Va=1.4Vです。

そのため、基準電流Irefを決める抵抗R4の値も調整し、R4=(5V-1.4V)/1mAで3.6kΩとしました。

さて、この回路でのTransientシミュレーション結果です。

前回の回路では、IrefとIcopy1の差分は約15uAありましたが、今回の回路では差分がかなり小さくなりました。

次に、前回と同様、バイポーラトランジスタQ7とQ8を2個追加してシミュレーションしてみます。

以下がシミュレーション結果です。

Q7とQ8を追加する前に比べ、基準電流Irefが下がり、目標の1mAからの誤差は大きくなりました。

しかし、IrefとIcopy1の差分は、Q9の追加前よりだいぶ小さいです。

ということで、バイポーラトランジスタを1個追加すると、基準電流とコピー電流の差分は小さくなることがわかりました。

これを理論的に説明できると良いのですが、、、まだ勉強中です。

温度特性の比較

バイポーラトランジスタの追加前後で、温度特性の比較も行ってみました。
0℃から100℃範囲でシミュレーションしてみました。

まずは、追加前のシミュレーション結果です。

続いて、追加後です。

追加前は、追加後に比べて温度変化に対して電流値の変化が小さいです。
しかし、基準電流とコピー電流の差分が大きいです。

追加後は、追加前に比べて温度変化に対して電流値の変化が大きいです。
しかし、基準電流とコピー電流の差分は小さいです。

まとめ

定電流源回路の特性改善のためにバイポーラトランジスタを1個追加してみました。

しかし、一長一短ある結果となりました。

まだまだ改良(勉強)が必要です。

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